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敵対的買収防衛策

〜企業社会における公正なルール形成を目指して〜


東京大学大学院法学政治学研究科教授
企業価値研究会座長 神田 秀樹 監修

発行 2005年 8月 29日 A5判 約440ページ

本体 2,600円(+税)  送料 実費

ISBN4-8065-2727-0

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大手企業の経営権争奪をめぐる事例が広く報道されて以来、日本も一気に買収本格化時代に突入したという感が高まっています。

本書は、2004年9月に経済産業省に設置された「企業価値研究会」が2005年5月27日にとりまとめた報告書と、同日、経済産業省と法務省が公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」について、経済産業省経済産業政策局産業組織課の担当者の講演録、指針本体、企業価値報告書本体および研究会での委員が提出した資料等を収録した書物です。

企業価値研究会では、法的観点と市場における受容性という2つの観点から、買収防衛策について諸外国の状況もふまえた総合的かつ包括的な整理と問題提起を行うことをめざしてきましたが、3月7日に論点公開の骨子を公表し、4月22日にその本体を公表して意見照会を行いました。そこでの考え方のポイントは、「買収には良い買収と悪い買収がある、良い・悪いは企業価値を基準として考えべきである、企業価値を高める買収は実現されるべきで企業価値を損なう買収は実現されるべきではない」という点にあります。

上述したように、企業価値研究会は最終報告書を5月27日に公表しましたが、報告書は、意見照会に対して寄せられた各種の意見を踏まえてさらに検討した結果をとりまとめたものです。また、報告書の公表と同じ日に「指針」も公表されました。「指針」は、もちろん法的な拘束力はないが、実際には影響が大きいものです。

新しい会社法のもとではさまざまな防衛策が可能となりますが、「可能となる」という意味であって、裁判所で差止めを受けないという意味ではないし、上場会社に向かないとして取引所等で受け入れられないおそれもあります。「指針」や取引所の「要請」の役割がそこにあるともいえますが、日本では、しばらくは試行錯誤の時期が続きそうである。

買収防衛策をめぐる日本の状況は、激変しつつある時期にあり、このような状況のなかで、報告書と指針は、関係者の必読文献であるといえます。

本書は、連日徹夜に近い仕事ぶりで報告書と指針のとりまとめにあたった経済産業省の担当者の講演を収録しており、報告書と指針を理解するうえで重要な書物であることはもちろんのこと、担当者の熱意が伝わってくる貴重な歴史的な資料でもあります。


主要目次
第1章 企業社会における公正なルール形成を目指して
    〜企業価値報告書と指針策定の問題意識〜
    経済産業省経済産業政策局産業組織課課長 日下部  聡

 はじめに

 1.企業価値報告書のメッセージ
  (1)検討開始の経緯と問題意識
  (2)企業価値報告書の5つの柱
 2.企業価値・株主共同利益のための買収防衛指針の骨格
  (1)買収防衛策の3原則
  (2)買収防衛策の具体例
  公正な企業社会のルール形成に向けて

第2章[講演録]M&Aの潮流と敵対的買収のインパクトを理解する
   経済産業省経済産業政策局産業組織課係長 近藤 弘康

 1.形成されつつある日本のM&A市場
 2.M&Aの手法と関連の法規制
 3.敵対的買収の効果と弊害
 4.敵対的買収防衛策の経済的合理性

第3章[講演録]欧州企業はどう備えているか
   〜理想と現実〜
   経済産業省経済産業政策局産業組織課係長 日置 純子

 1.欧米における敵対的買収に関するルールと特徴
 2.より厳しいTOB規制で敵対的買収を排除−欧州共通ルール
 3.企業の自衛策は原則禁止−イギリス
 4.監査役会の承認を前提として自衛策を容認−ドイツ
 5.黄金株や複数議決権株式による防衛−フランスなどの欧州大陸諸国
 6.企業の自衛策の扱いは各国の判断に委ねる−EUの妥協ライン
 7.欧州の経験を日本のルールづくりに生かす

第4章[講演録]米国企業はどう備えているか 〜20年の経験〜
   経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 千明 忠晃

 1.企業の解体的買収に対抗して
 2.防衛策に対する司法の判断
 3.防衛策に対する機関投資家の見方
 4.ライツプランをめぐって
 5.米国での普及状況

第5章[講演録]日本企業を巡る環境の変化と既存防衛策の問題点
       〜企業価値向上策と防衛策4原則〜
       経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 新川 達也

 1.合理的なルールの確立が不十分な日本
  2.防衛策4原則について

第6章[講演録]過剰防衛、正当防衛の分水嶺
   経済産業省経済産業政策局産業組織課係長 多田 克行
   経済産業省経済産業政策局産業組織課 岡崎 健一

 1.日本の会社法上、防衛策は導入できるのか
 2.防衛策の合理性の判断基準について
 3.合理性を高める3つの工夫
 4.2005年の株主総会の結果

参考資料

 〇[講演資料]企業価値研究会の論点公開のメッセージ 
  〜公正な企業社会のルール形成に向けた提案〜
  〇企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針
  〇企業価値報告書 〜公正な企業社会のルール形成に向けた提案〜
  〇新株予約権を利用したライツプランに関する課税関係について
  〇企業価値研究会における調査事項
  〇企業価値研究会「論点公開〜公正な企業社会のルール形成に向けた提案〜」に
  対する意見の概要及びそれに対する考え方



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