お問い合わせ刊行物の購入方法通信販売のご案内刊行物のご案内TOPページ(財)経済産業調査会TOPページ
財団法人経済産業調査会 出版案内
分類現代産業選書
上段PR画像

書籍表紙画像

▼発売中
簡単・便利・最速の通信販売をご利用下さい。


ものづくりの羅針盤
不況の先に見えるものは
渡邉  政嘉  著

発行 2010年 6月 2日

四六判 206ページ

本体 1,800円(+税)  送料 実費

ISBN978-4-8065-2848-7

書籍の購入方法ボタン   お問い合わせボタン   オンライン購入のボタン

   まえがき より  イメージ
日本のものづくりは強いと言われてきました。その背景には、鉄鋼材料や化学原料等品質の優れた安定的な部材を提供する高度部材産業とものづくり基盤を支える素形材産業(鋳造、鍛造、金属プレス、金型、粉末冶金、熱処理等)及び部品産業の集積があり、また、川上(素材)、川中(成型加工)、川下(組立て)にまで至るものづくり関係者の密なコミュニケーションと弛まない切磋琢磨、いわゆる「すりあわせ」が円滑に行われているからだと言われています。ものづくりサプライチェーンのグローバル化が益々進展し、ものづくりを巡る環境は刻一刻と変化しています。

鉱工業製品はなるべく需要地に近いところで、品質のいいやすいものを提供するとの原則のもと、ものづくりの現場自体が国外に転出するケースも増えています。また質的にも、「ものづくり」から「ものがたり」へと言われるように、ものづくりの範囲を鉱工業製品の生産活動(狭義のものづくり)からそれらにかかわるサービスまで拡張した概念(広義のものづくり)として議論されることも多くなっています。

いま、日本としての国益を守りながら、ものづくりの強さを引き続き維持できるかどうかが問われています。 ものづくりという言葉は、日本の伝統に根ざす言葉です。しかしながら国の政策において「ものづくり」を法律上正面から取り上げて振興を始めたのは比較的最近のことです。

第三期の科学技術基本計画の中でも、その他推進四分野の中の一つとして位置づけられました。ものづくりにかける関係者の伝統と情熱を絶やさないよう産学官が一体となった取り組みが期待されています。

本書は、ものづくりを実践するすべての方々が将来のものづくりの課題や方向性について政府の支援策がどのように行われているかをわかりやすく解説したものです。ものづくりに関する様々な話題を、政策、技術、経営、人材等の観点から各章に分けて解説を行っています。

具体的な本書の全体構成は、以下の通りとなりますので、関心のある章から読み始めていただいても結構です。

第1章では、日本のものづくりとは一体どうなっているのかをものづくり白書の最新版をもとに日本のものづくの現状と展望を解説します。ここでは日本全体を俯瞰してものづくりの強みや弱み、国際環境等を振り返ることができます。

第2章では、日本のものづくりを応援する人々の取り組みとして、日本のものづくり政策のフレームワークについて、新経済成長戦略、国家ものづくり戦略ビジョン、主なものづくり中小企業対策事業等について概括します。ここでは、経済政策全体のフレームワーク、及びその中での日本のものづくりの将来像を見ることができます。また、ものづくり基盤を支える素形材産業の現状と課題についても理解することができます。

第3章では、ものづくり技術戦略について、長期戦略指針イノベーション25、イノベーション・スーパーハイウェイ構想、技術戦略マップ、素形材技術戦略等及び技術ロードマップによる産学官ロードマップコミュニケーションの解説を行います。ここでは、日本のものづくりを支える技術を如何に戦略的に進めてゆくかの総合戦略を体系的に理解することができます。

第4章では、ものづくりビジネスモデルと経営戦略について、技術ロードマップを活用した経営戦略構築に向けた具体的な取り組みをまとめた「技術戦略マップを活用した新ビジネス創出プランニングのディスカッション・マニュアルIS-Plan (Innovation Strategy-Plan) 」の解説を行います。ここでは、イノベーション、産学官連携といった抽象論ではなく、各論で具体的にどのようにアクションを起こすことが必要なのかを理解することができます。

第5章では、ものづくりの人材育成について、大学や学協会等の役割に則した人材育成の課題と展望について解説を行います。

ここでは、ものづくり基盤を支える中核人材育成事業の考え方や実践事例等について理解することができます。

第6章では、ものづくり企業の海外展開について、ものづくりに国境はないとの再認識をするとともに、日本と海外の貿易等に関する連携協定や政府としての技術流出防止に関する取り組み(素形材企業のための技術・ノウハウ保護ガイドブック等)を概括します。ここでは、ものづくり中小企業が抱える海外展開の最も大きな落とし穴である技術流出に対する具体的な対策を理解することができます。

第7章では、第1章から第6章までのまとめとして、不況下で進む産業構造変化を踏まえ、世界で勝ち残るために必要なことを提言します。

ものづくり立国日本の繁栄を願い、本書がものづくりを実践する方々、ものづくりを応援する方々の羅針盤として活用されることを期待しています。

ものづくり応援隊長
渡邉 政嘉


主要目次
はじめに

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第1章 日本の最新ものづくりの現状と展望
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 日本のものづくりを俯瞰する
2 ピンチをチャンスへ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第2章 日本のものづくりを応援する人々の取り組み
   〜ものづくり政策のフレームワーク〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 大戦略新経済成長戦略から始めよう
2 ものづくり政策の憲法(基本法)はこれだ!
3 ものづくりにも国家戦略ビジョンがある!
 〜ものづくりのパラダイムシフトによる脱資源発展国家の実現〜
4 ものづくりを支える基盤技術群を高度化しよう!
 〜鋳造、鍛造、プレス、金型、熱処理等のものづくり基盤技術の高度化〜
5 ものづくりと素形材

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第3章 ものづくり技術戦略
   〜イノベーションは呪文じゃない、戦略を立てて考えよう〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 長期戦略指針イノベーション25
2 イノベーション・スーパーハイウェイ構想
3 ものづくり技術戦略はこれだ!技術戦略マップ2009の概要
4 素形材技術戦略
 〜ものづくり基盤を支える素形材技術の羅針盤〜
5 産学官ロードマップ・コミュニケーション

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第4章 ものづくりビジネスモデルと経営戦略
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 技術戦略マップを活用した新ビジネスの創出
2 取引慣行改善で失われた権利を回復しよう
 〜下請代金遅延等防止法の概要や取引慣行ガイドラインによる最近の取り組みと具体的な効果について解説〜
━━━━━━━━━━━━━━━
第5章 ものづくりはひとづくり
━━━━━━━━━━━━━━━
1 ものづくり人材とは
2 ものづくりを巡る人材育成の現状
3 大学のミッション
4 産業界のミッション
5 学協会活動のミッション
6 大学と企業による産業技術人材育成への提案
7 産学連携中核人材育成事業
8 人材育成は人ごとだと思ってはいけない

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第6章 海外でもうける仕組み作り
   〜経営の源泉である「大切な技術情報等」を守るために、必要なこと、実施すべきこと〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 ものづくりの国境は既に無い
2 技術流出と技術移転
3 技術流出防止にあたっての経済産業省の取り組み
4 ものづくり中小企業が一番あぶない
5 ガイドブックの概要

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第7章 不況下で進む産業構造変化を踏まえ、世界で勝ち残るために必要なこと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 ものづくり基盤を強化する
2 資金繰り対策、雇用の確保に注力する
3 将来に向けた新経済成長戦略
4 サステイナブル・マニュファクチャリング
5 国際競争力の強化が成長への布石
6 系列型からオープン型へ移行する産業構造
7 分野も越えた結合で新しいサービスを

おわりに
筆者紹介



 bookinfo@chosakai.or.jp

 http://www.chosakai.or.jp/book/

無断転載を禁じます 財団法人経済産業調査会
Copyright 1998-2001 Reserch Institute of Economy, Trade and Industry.
お問い合わせ刊行物の購入方法通信販売のご案内刊行物のご案内TOPページ(財)経済産業調査会TOPページ