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「電通」成長神話の秘密
〜ある電通マンの追想〜
信田 和宏  著

発行 2013年 7月 18日 四六判 240ページ

本体 1,800円(+税)  送料 実費

ISBN978-4-8065-2919-4

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   プロローグ(あらまし) より  イメージ
この書は私的電通論です。それと同時に、私の電通生活を綴った回顧録でもあります。三十六年間、電通マンとして過ごしたハリのある人生を今回顧し、当時私を支えてくれた電通イズムや自由奔放な環境をとりあげ、良き時代を述べてみたいと思います。また、広告を初めとするコミュニケーションの仕事の分野で、大きな影響力とパワーを維持し続けた電通の要因に触れてみたいと思います。

電通に永年勤務をしていましたが、電通についてよく分からないところがあります。外部の皆さんが見ても、電通は何をやっているのか、実態が分かりにくい会社だと思っておられるかたが多いように思います。なぜ分かりにくいのか、この後お話をしますが、そんな分からない電通を退職した私が私なりに掘り下げ、ときに評価される電通パワーの原点に触れてみたいと思います。

私の電通論は私の経験から来るものですから一方的です。ですから、勿論、反論も覚悟しています。私は、電通が謎をたくさん持った不思議な会社であると感じています。そこに電通成長の魅力とパワーが隠されていると推測しています。

電通とは、何なのでしょうか。その謎となるビジネスの原点に触れてみたいと思います。さて、他の業種のビジネスを考えて見ましょう。例えば、自動車会社なら自動車を製造し販売する。そして、アフターサービスとい ったケアをするのがビジネスです。つまり自動車を中心に会社は巡り、全ての社員が同調します。食品会社なら食品を製造し(または栽培し)販売する仕事です。このように多くの企業はビジネスを担う商品やサービスが明らかです。でも電通のビジネスは?と問答しますと広告の仕事とはいいきれないのです。

広告会社の範疇にありながらその回答は的確ではないのです。勿論、広告は電通ビジネスの柱にあります。しかし、電通は平たく申し上げれば何でも商売にしてしまう会社なのです。もっと突っ込んだ言い方をしますと電通の仕事は一人一人違うのです。広告会社と言っても広告ビジネスに関与しない人もたくさんいます。広告以外の仕事で会社に貢献をしている人がたくさんいます。

ですから自動車を巡ってビジネスをする自動車会社と異なって、電通のビジネスはさまざまなビジネス要素が混在し、実態が掴みにくい会社なのです。それが秘密といいますか、謎と考える所以です。

二〇一三年六月  信田和宏


主要目次
プロローグ(あらまし)

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第一章 広告の発展と電通
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 (その一)近代工業化時代から脱工業化時代に至るまで
      〜広告ビジネスと電通を発展させたそれぞれの時代
 (その二)電通の仕事.すべてが仕事に結びつく 

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第二章 社員時代の思い出
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 〜師と仰いだ四名の先輩〜
  〔その一〕Mr.ヘーゲル
  〔その二〕隊長殿
  〔その三〕Mr.プレーヤー
  〔その四〕Mr.百科事典(ペディアさん)

 モーレツ時代の思い出 〜エピソードから〜
  一)入社時の研修から
  その一:営業マンの心得は○△□
  その二:給料は自分で管理し妻には必要額を渡せ
  その三:飲み屋でグチるな
  その四:人の金で酒を飲むな
  その五:人より早く出社せよ
  その六:新聞は死亡欄から見よ
  その七:映画はタダで見るな
  二)モーレツ時代のつわものたち

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第三章 わが電通ライフ
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 〜三十六年のライフストーリー〜

 〜若き日の現場から〜 
  (1)仕事のスタートは連絡局から
  (2)遅い帰宅
  (3)パパ、また来てね
  (4)元旦は出社だった  
  (5)根性を磨く富士登山  

 〜海外留学の経験〜

 〜海外ビジネスのエピソード〜〔その一〕 
  (1)パリでの自動車新車発表会:郷に入っては郷に従え
  (2)ジャカルタでの自動車新車発表会:ベストを尽くすという意味
  (3)初めての中国ビジネス:古い友人

 〜海外ビジネスのエピソード〜〔その二〕 
 〔ドイツ篇〕 
  ・駐在のタイミングは、サマータイムになってから
  ・きれい好きで愚直に守る社会ルール
  ・生活は自分のスタイルで
  ・家族を大切にする生活
  ・仕事は「イエス」から始まる
  ・ドイツ人は残業嫌い
  ・長い長い夏休み
  ・秘書の仕事がビジネスの決め手
  ・ワインは五感で楽しめ
  ・プロフェッショナル(職人)を尊重するドイツ人
  ・十六歳は大人扱い
  ・ルイヴィトンは四〇歳から
  ・季節を楽しむ

 ドイツを含むヨーロッパで教えられたこと
  ・個人主義と社会の成員である重要性
  ・自己責任を持つこと
  ・プロフェッショナルでなければ生きられない
  ・人種の流入流出現象とセキュリティ

〔タイ篇〕
  ・やさしさの裏に怖さがある
  ・“NO”と言わないタイの人々
  ・秘密がなぜか公然と
  ・女性が強い国
  ・同性愛者が多くその人格を認めている国
  ・ワイを組む
  ・あなたの誕生日は何曜日?
  ・食を楽しむ
  ・おいしいものに毒あり/ドリアン事件
  ・国王を愛する国民
  ・勘違いの日本人駐在員

タイを含むアジアで得たこと
  ・八百万(やおよろず)の神が生きている
  ・ファミリービジネスが熱い
  ・世界にはヒエラルキーと民族と宗教の問題が存在する
  ・風水(ふうすい)が決め手
  ・シンガポールがいまや良いお手本

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第四章 電通パワーを生んだ秘密
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 その一:鬼十則というクレド/格言
 その二:鬼十則が生んだ超放任主義と組織
 その三:社員の目標は仕事を「仕切る」こと
 その四:電通の謎とパワーの背景
 その五:躍動する電通マンとは
  ・さまざまな人の集まり
  ・多種多芸の持ち主
  ・血液型はB型とAB型が多い
  ・東大出身が損をする
  ・クライアントに命をかける電通マン
  ・幹部(マネジメント)の仕事
  ・電通マンはおしゃれ

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第五章 電通批判
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 【調査の概要】
  一.電通のイメージについて
  二.電通のパワーとは
  三.電通を嫌悪するところ、または短所と考えられるところ

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第六章 これからの電通に一言
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 【広告会社が直面する課題】
  一.マスコミュニケーションから個のコミュニケーションへ
  二.顧客管理策(Customer Relationship Management)が重視される 
  三.「広告はムダ」論をどう考える 
  四.アフリエイト広告の登場
  五.一業種一社制度について
  六.フィー(Fee)制度への志向 
  七.マスター・エージェンシーへの期待
  八.海外ビジネスに向けて

エピローグ(おわりに)



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