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不合理を活かすマネジメント
人まねの呪縛から逃れるために
龍谷大学 政策学部 教授 中森 孝文  著

発行 2017年 11月 17日 四六判 350ページ

本体 4,000円(+税)  送料 実費

ISBN978-4-8065-3006-0

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   第17回ほんづくり大賞 優秀賞受賞   イメージ
賞状等画像
 政府刊行物関連の書籍販売を行っている、全国官報販売協同組合主宰「第17回ほんづくり大賞」で、本書が優秀賞を受賞しました!  審査委員からは「著者の経験に沿った内容を、斬新なアイデアで記しており、また、著者の専門であるデータ分析や、インタビューによる生の声等、豊富な内容は真に目からウロコの一冊であると高く評価し優秀賞に選出致しました。」と選評をいただきました。
著者コメント
   内容紹介   イメージ
常識に敢えて逆らう・・・
一徹社長の不合理な経営判断にはワケがある
大量のデータ分析、インタビューから不合理経営の真髄に迫る!

 「決算状況が悪くなるとわかっていたのに敢えてリストラしなかった」、「売上の8割を占めていた事業から撤退した」、「業界ではご法度と言われているような加工方法にチャレンジした」、「皆が採り入れている規格に敢えて合わせなかった」これらは、決して合理的な経営判断とは言えません。しかし敢えて回り道をして、自社の強みを築き、長く続いている企業もあります。

 ビジネス書の中には、このような不合理な経営判断を紹介するものも少なくありません。しかし、不合理な経営判断と企業業績の関係性や、不合理な経営判断が企業経営にとってプラスであることをデータで示したものはあまり見かけません。

 本書は、長期の間、企業経営に携わる経営者の意識調査、企業の複数年の財務データを分析し、不合理な経営判断と企業業績との関係性を明らかにしています。また、複数の「不合理を活かしている」経営者と対談により、不合理な経営判断の神髄に迫っています。

   著者略歴  イメージ
中森 孝文(なかもり たかふみ)

1965年 奈良県に生まれる
山と田んぼに囲まれた田舎で貧乏人の小倅として育つ。
1984年 通商産業省 近畿通商産業局(現:経済産業省近畿経済産業局)に入省
高卒ノンキャリア公務員としての道を歩み始めるも、高学歴な「幹部」職員との違いに愕然とし、将来の希望を失いかける。働きながら入学金と授業料を工面し、大学、大学院に通う。
2003年 京都工芸繊維大学に出向
事務員として、建物や設備、資金の管理、清掃の契約書類の作成といった雑務を黙々とこなしつつ、次第に研究者や大学発ベンチャーの開発プロジェクトをとりまとめるようになる。その後、知恵(無形の強み)の可視化や活用の重要性を説き、徐々に周囲の信頼を獲得し、京都の産業界や行政から様々な「チャレンジ」の機会を得る。この間、京都工芸繊維大学 地域共同研究センター 准教授、その後立命館大学 経営学部 准教授。
2011年 龍谷大学 政策学部 教授に就任(現在に至る)
2016年 神戸大学から博士学位(経営学)を授与される



主要目次
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まえがき
━━━━
1 不合理な経営判断 
2 不合理な経営判断と他社がまねできない強み(コア・コンピタンス)
3 この本の構成

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第1章 不合理とは
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1 合理性の種類
@ 3つの合理性
A この本で取扱う合理性
B 社会的合理性との関係
C 合理性と道徳的な正義との関係
D 合理性と同型化の関係
E 経済性と正当性
2 経済的合理性とは
@ 経済学と人間の不合理性
A 人間の性癖による不合理
B 行動経済学と人間の不合理性
C 経営学と人間の不合理性
D 人間の限界による不合理性
E 不確実性への対処
F 2種類の限定合理性
3 正当性を得ることによる合理性とは
@ 正当性と同型化 
A 積極的な同型化 
B 身の回りの同型化
C 合わせる相手としての世間
4 社会的合理性とは
@ 経済的合理性との関係
A ルールとしての社会的合理性
B 合理性の整理 
5 合理性における長期と短期
@ 近視眼と忍耐強い意思決定
A 現在利益と将来利益
6 合理性判断の分類
@ 4つの区分 
A 常識の先取り 
B この本での不合理とは

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第2章 不合理な経営判断を取り上げる理由
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1 不合理な判断の難しさ
2 不合理な判断は企業にとってプラスなのか 
3 この本で明らかにすること 
@ 健全な経営と不合理判断の関係
A 不合理な経営判断の促進要因 
B 不合理な経営判断の拠り所 
4 目先の利益に執着しないことはなぜ不合理なの
@ 利潤(利益)の最大化にこだわらないのは不合理?
A 「ジレンマの克服」や「無駄の必要性」と目先の利益重視との関係
B 知的資産の重視は不合理?
C 目先の利益重視のプレッシャー 
5 差別化戦略と人まねをしない経営判断との違いは何か
@ 「差別化戦略」と「ひとまねをしない経営判断」の違い
A ポジショニング・ビューとリソース・ベースト・ビュー
B コストリーダーシップ戦略と差別化戦略
C リソース・ベースト・ビューと差別化戦略 
6 人まねをしない経営判断はなぜ不合理なのか
@ コア・コンピタンスと人まねしない経営判断 
A 強みを束ねた企業力 
B 合理的でないことの重要性 
C 人まねをしない経営判断は差別化戦略を補完する

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第3章 不合理な判断の分析
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1 どのように分析するのか
@ 社会人一般とは 
A つよなが企業とは 
B できすぎ企業とは 
C 世間体を気にしない人と一徹社長の違い
D 不合理を活かす経営者とは 
2 社会人一般の合理性判断をどう見るのか
@ 経済的合理性と世間的合理性の判断は重なるのか
A 人まねをしない経営判断を押し上げる理由
3 経営者の合理性判断をどう見るのか 
@ つよなが企業の経営者に影響する要因
A 目先の利益に執着しない経営判断の効果
B 財務優良企業と人まねしない経営判断
C 不合理判断と長期の財務内容との関係
4 社会人一般と経営者の経営判断の違いの眺め方
@ 経営判断の拠り所 
A 財務内容で評価する理由 
5 不合理を活かす経営者の真髄への迫り方
6 アンケート調査の概要 
@ 第1調査の概要 
A 第2調査の概要 
B 第3調査の概要 

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第4章 社会人一般の合理性判断
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1 「目先の利益の追求」と「人まね・同型化」の関係性
@ 「目先の利益への執着」と「人まね・同型化」は重なり合う
A 有意(意味のある結果)と言うために 
B 実際のデータ分析と文献による論理的帰結(結果)は同じ
2 人まねしない判断を促進する要因 
@ 人まねしない経営判断の尺度の作成 
A 「経験」に関する尺度の作成 
B 「価値観」に関する尺度の作成
C 情報に関する尺度 
D データが示す「人まねをしない判断」を促進する要因 
3 社会人一般の合理性判断の特徴
@ 価値観 
A 意思決定に影響する情報 
B 経験 
C 金融機関の判断 

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第5章 つよなが企業の経営者の合理性判断
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1 つよなが企業はそもそも人まねしない? 
2 目先の利益に執着しない経営判断 
@ 自己資本比率を指標に取り上げる理由 
A 目先の利益に執着しない判断を促進する要因とは
B 目先の利益を犠牲にする経営判断の業績への影響
3 人まねしない経営判断の業績への影響
4 不合理判断が複数年の業績に与える影響
5 つよなが企業の経営者の合理性判断の特徴

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第6章 社会人一般と経営者の経営判断の違い
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1 社会人一般(世間体を気にしない人)の人まねしない経営判断
@ 世間体を気にしない人の抽出 
A 世間体を気にしない人の特徴 
2 経営者(一徹社長)の人まねしない判断
@ 一徹社長の抽出 
A 一徹社長の人まねしない経営判断 
3 「世間体を気にしない人」と「一徹社長」の経営判断はここが違う
@ 世間体を気にしない人の経営判断 
A 一徹社長の経営判断 
B 世間体を気にしない人と一徹社長の違い 
C 長期利益の追求と自己資本比率の強化に向けた努力

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第7章 不合理を活かす経営者
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1 4人の不合理を活かす経営者
@ 絶対に値引きしない経営 
A 現地法人の経営は現地に任せることを徹底
B ISO9000をやめる決断 
C 月平均800種類もの試作・製造をこなす
2 不合理を活かす経営者の経営判断の拠り所 

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第8章 まとめ
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1 社会人一般の合理性判断
@ 目先の利益の追求と人まね・同型化の関係
A 一人勝ちの追求は合理性判断に捻れを生じさせる
B 知的資産を大切にすると人まねしない 
C 人まねをしない判断に活きる経験 
D 4つの「人まねをしない経営判断」からわかること
E 金融機関の理解を得るために 
F 世間体を気にしない人の経営判断の拠り所 
2 不合理を活かす経営者の合理性判断 
@ できすぎ企業は不合理がお好き 
A 財務優良企業は人まねしない 
B 不合理判断には経営資源強化の視点が不可欠 
C 修羅場の経験が強い信念を生む 
D 社会的合理性の重視 
E 一人勝ちより他者への配慮 

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第9章 人まねの呪縛から逃れるために
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1 一人勝ち(保護主義)のマネジメントは長期的発展につながらない
2 他者への配慮と正義での判断が不可欠 

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不合理を活かすマネジメントの解明にむけて(今後の課題)
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1 ネットワーク外部性への対応
2 失敗事例の分析が不可欠 
3 意思決定の場面の多様性への対応 
4 因果関係の解明の必要性 
5 直感と経験の関係性解明 
6 社会的合理性のデータ分析の必要性

結びに 

補足表(因子分析、回帰分析に用いた表の補足) 
参考文献



 bookinfo@chosakai.or.jp

 http://www.chosakai.or.jp/book/

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