分類:現代産業選書/経済産業研究シリーズ |
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職務発明訴訟の総括 〜これでよいのか日本の知財戦略〜 |
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青山 紘一 代表編著
発行 2006年 1月 16日 A5判 558ページ 本体 4,900円(+税) 送料 実費 ISBN4-8065-2740-8 |
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中村修二教授の提訴(2001年8月)以来世間の熱い注目を浴びてきた青色発光ダイオード(青色LED)をめぐる職務発明訴訟が、2005年1月に、原告と被告日亜化学工業との間で和解によって終結した。同年4月には、特許法35条改正法が施行された。多くの企業において、職務発明規定の見直しが図られている。 我が国は、「知的財産立国」の形成を国家戦略として標榜している。「知的財産立国」とは、知的財産の創造を発展の基盤に据える国家戦略であり、日本人の持つ発明の能力を十分に発揮することを基本的目標とするものである(知的財産戦略大綱・知的財産基本計画2005)。その目標達成を最も左右するのは「人」であり、研究活動に直接携わる研究者のインセンティブを一層高める制度の確立とその運用を適正に図ることが不可欠である。 本書は、企業が職務発明訴訟に対して深刻に考える契機となったオリンパス事件の控訴審判決(東京高裁平成13年5月22日)、発明者や世間全体が職務発明に対して刮目する契機となった青色LED訴訟(平成13年8月23日提訴)以降の主要判決等を、当該判決に対するこれまでの評論をも含めて、精査、検証するもの である。併せて、職務発明問題に対する誤解・曲解について糺すことを目的とするものである。これによって、先人が創案した我が国独特の優れた職務発明制度が健全に運用され、「知的財産立国」の形成に寄与することを強く期待して、本書を刊行するものである。 |
【編著/共著者】 |
編著
青山 紘一(千葉大学大学院専門法務研究科教授)
共著者
帖佐 隆(久留米大学法学部法律学科助教授 弁理士)
岩田 雅夫(元日立金属研究者)
高橋 雄一郎(弁護士)
隈元 慶幸(弁護士)
森川 清(弁護士)
岩崎 律子(千葉大学法科大学院)
永口 学(千葉大学法科大学院)
松縄 正登(特許庁審判長)
はしがき (千葉大学大学院専門法務研究科教授 青山 紘一) ━━━━━━━━━━━━━ 第1部 職務発明訴訟の総括 ━━━━━━━━━━━━━ 職務発明問題の動向、平成16年法の解釈及び判例研究の必要性 (久留米大学法学部助教授 弁理士 帖佐 隆) 発明者からみた職務発明訴訟 (元日立金属研究者 岩田 雅夫) 職務発明訴訟における被告企業の対応 (弁護士 高橋 雄一郎) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第2部 職務発明訴訟主要判決の検証 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.オリンパス事件・控訴審判決(東京高判平13.5.22) (千葉大学大学院専門法務研究科教授 青山 紘一) 2.オリンパス事件・最高裁判決(最判平15.4.22) (千葉大学大学院専門法務研究科教授 青山 紘一) 3.コスモ石油事件・控訴審判決(東京高判平15.6.26)/第一審判決控訴審判決(東京地判平13.12.26) (久留米大学法学部助教授帖佐 隆) 4.ニッカ電測事件・第一審判決(東京地判平14.9.10) (弁護士 隈元 慶幸) 5.日亜化学事件・第一審判決(中間判決:東京地判平14.9.19、終局判決:東京地判平16.1.30) (弁護士 森川 清) 6.日亜化学事件・控訴審和解(東京高判平17.1.11:「和解についての当裁判所の考え」) (久留米大学法学部助教授帖佐 隆) 7.日立製作所事件・控訴審判決(東京高判平16.1.29) (森川 清) 8.日立金属事件・控訴審判決(東京高判平16.4.27)/第一審判決(東京地判平15.8.29) (久留米大学法学部助教授 帖佐 隆) 9.中央建鉄職務考案事件・第一審判決(東京地判平15.11.26) (千葉大学法科大学院 岩崎 律子) 10.大塚製薬事件・控訴審判決(大阪高判平17.6.28)/第一審判決(大阪地判平15.11.27) (千葉大学法科大学院 永口 学) 11.味の素アスパルテーム事件・第一審判決(東京地判平16.2.24)/東京高裁和解 (特許庁審判長 松縄 正登) 12.日中医学研究所事件(東京地判平16.7.23) (特許庁審判長 松縄 正登) 結語 (青山 紘一)
http://www.chosakai.or.jp/book/