本書は、標準とは何か、その仕組み、作られ方、使用の実態から歴史に至るまで、また、標準化の重要性についてなど、そのすべてを紹介しようとするものです。
第1章は、身のまわりには標準がたくさんあることや、ひとつの製品にも多くの標準が使われていることを説明しています。標準化はルールづくりであるということがおわかりになると思います。
第2章は、標準とは何かを詳しく説明しています。標準は社会、経済などでどういう役割を果たしているか、標準の種類にはどんなものがあるかなど、標準に関する基本的な説明を記載しています。
第3章は、日本と世界の公的な標準化機関で作られている標準(デジュール標準)として、日本の標準であるJIS、国際標準であるISO、IECなどについて説明しています。また、国際標準化の活動に対して日本がどのように参加しているかについても解説しています。
第4章は、ビジネスツールとして見た場合の標準の活用について記述しています。標準には社会のインフラストラクチャーとしての基盤的な役割から、産業の発展や企業の競争力に影響するものまで幅広くありますが、そのなかで、特に企業やビジネスへの活用に焦点を当てて説明しています。
第5章は、標準化の歴史について説明しています。工業と標準の関わりを含め標準化がどのように発展してきたかを説明しています。
第6章は、日本から提案されて国際標準になっているもの、あるいはこれからなろうとしているものをいくつか紹介しています。
第7章は、まとめとして、標準化の将来展望と、日本として取り組むべき方向性について記述しています。
標準は私たちの想像を遙かに超えて生活に密接に関係しており、ビジネスでも標準が重要な役割を果たしています。特に、これから国際的にビジネスを展開していく上では、国際標準化は避けて通ることのできないものでしょう。
本書は、これまで標準についてあまりご存じでなかった方々を含め、幅広く一般の方々に読んでいただけるよう、できるだけ専門的な用語は避け、わかりやすく執筆することを心がけました。