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中国における特許保護の現状と課題
−日本法との比較法的研究−

三協国際特許事務所  法学博士、中国専利代理人
梁  熙艶(りょう きえん)  著

発行 2008年12月26日 A5判 207ページ

本体 2,400円(+税)  送料 実費

ISBN978-4-8065-2819-7


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   本書まえがき より  イメージ
梁煕艶君は、2003年4月に大阪大学大学院法学研究科修士課程に入学し、2005年4月に同研究科博士課程に進み、2008年3月に法学博士号を取得した。本書は、その博士論文「中国における特許保護の現状と課題―日本法との比較法的研究―」に、その後の中国特許法の動向等を追加したものであり、本書の出版に当たり、大学院での指導教員として、梁君及び本書を紹介させていただく。

梁君は、日中特許法の比較を研究テーマとして、大学院に入学したが、入学時には既に、日本の弁理士に相当する中国専利代理人の資格を有しており、中国特許法に関して広い知識を備えていた。また、三協国際特許事務所において特許関係の実務に携わっていたことから、日本特許法も相当に理解していた。大学院の修士課程及び博士課程においては、日中特許法の知識理解を一層深めつつ、両法の比較法的研究を行った。

梁君は、日本語の読解能力にも優れ、多くの日本語文献を正確に読みこなし、また、日本語を話したり聞いたりすることにも特に問題はなかった。大学院での研究は、ほぼ定期的に、研究の成果としてある程度まとまったものを作成し、それを私と一緒に議論して完成させていくという方法で進めていた。もっとも、私がコメントすることはあまり多くはなく、指導教員である私にとっては、正直なところ、大変楽な院生であった。

さて、本書は、中国特許法を日本特許法と比較検討し、その結果を踏まえて、中国の国情に適した制度改正を提言するものである。中国は巨大な市場であり、我が国にとって重要な貿易相手国であることから、中国特許法への関心は高い。もっとも、中国特許法の条文を見るだけでは、その実像を知ることは難しいが、この点、本書では、多くの中国の裁判例や学説に基づいて、中国の特許制度の現実の姿が明らかとされている。主として論じられている問題領域も、「特許権の効力及びその効力が及ばない範囲」(第一章)、「特許権の保護範囲の認定」(第二章)、「特許権侵害の抗弁事由」(第三章)と、いずれも重要なものである。中国特許法は、日本法・アメリカ法・ヨーロッパ法を参考にして策定されたものであり、それ自体、研究対象として興味深い点が多々ある。そのため、日本法との比較研究を行う本書は、上述の実務的な関心に応えるだけでなく、我が国での特許法の研究に貢献するところも少なくないと思われる。

中国特許法の現状を詳細に示し、その問題点を指摘し、今後の方向性を論じる本書は、実務的な面からも、また学問的な面からも高く評価されるものと信じる。

大阪大学大学院高等司法研究科
大阪大学大学院法学研究科
教授  茶園成樹
2008年10月吉日


主要目次
まえがき(大阪大学大学院高等司法研究科 教授 茶園成樹)
推薦の辞(三協国際特許事務所 所長・弁理士 小谷悦司)
刊行によせて

序論

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第一章 特許権の効力及びその効力が及ばない範囲
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 第1節 特許権の効力
  1.1 物を生産する方法の発明に係る特許権の効力の範囲
  1.2 輸出は発明の実施に該当するか
  1.3まとめ

 第2節 特許権の効力が及ばない範囲
  2.1 特許権の消尽(国内・国際)
  2.2 試験又は研究のため
  2.3 まとめ


━━━━━━━━━━━━━━━
第二章 特許権の保護範囲の認定
━━━━━━━━━━━━━━━
 第1節 クレームの解釈と文言侵害
  1.1 保護範囲属否の認定手法
  1.2 発明の詳細な説明、図面の参酌
  1.3 出願経過の参酌
  1.4 出願時技術水準の考慮
  1.5 専門家証人、辞書等外部証拠の扱い
  1.6 まとめ

 第2節 均等侵害
  2.1 最高人民法院(2001)民三提字第1号最審判決
  2.2 日中両国均等侵害の成立要件に関する共通点、相違点
  2.3 まとめ

 第3節 不完全利用
  3.1 日本における不完全利用の運用
  3.2 今まで中国における不完全利用の運用
  3.3 まとめ

 第4節 間接侵害
  4.1 間接侵害が認められる法的根拠
  4.2 間接侵害の成立要件
  4.3 まとめ


━━━━━━━━━━━━━━
第三章 特許権侵害の抗弁事由
━━━━━━━━━━━━━━
 第1節 特許無効の抗弁
  1.1 日本の特許権侵害訴訟における特許無効の抗弁
  1.2 中国の特許権侵害訴訟における中止の規定及びその他の試み
  1.3 まとめ

 第2節 公知技術の抗弁
  2.1 ドイツでの公知技術の抗弁
  2.2 公知技術の抗弁はどの場合に適用されるか
  2.3 被疑侵害品と公知技術との相違はどれぐらいまで許されるか
  2.4 まとめ

 第3節 先使用権の抗弁
  3.1 先使用権の成立要件
  3.2 先使用権の範囲
  3.3 まとめ


━━━━━━━━━━━
第四章 中国法への示唆
━━━━━━━━━━━
 第1節 中国における特許保護の現状と日本の運用との主な相違点
  1.1 特許権の効力及びその効力が及ばない範囲に関する主な相違点
  1.2 特許権の保護範囲の認定に関する主な相違点
  1.3 特許権侵害の抗弁事由に関する主な相違点

 第2節 第1節で述べた上記相違点が中国の国情に適した制度として残すべきか或いは改善すべきかへの提言
  2.1 中国国情への認識
  2.2 特許権の効力及びその効力が及ばない範囲における主な相違点への対応
  2.3 特許権の保護範囲の認定における主な相違点への対応
  2.4 特許権侵害の抗弁事由における主な相違点への対応


あとがき
添付資料
中国における特許権侵害案件のうち日本企業が当事者となった一部の案件のリスト



 bookinfo@chosakai.or.jp

 http://www.chosakai.or.jp/book/

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