「モノ作り中小企業」は我が国の底力を支え、産業発展を担い、そして、地域経済の発展に関しても、重要な役割を果たしてきました。
このため、私は、三年前の経済産業大臣の頃、如何にしてモノ作り中小企業の皆さんのご努力に応えることができるかを考え、全国のモノ作り中小企業に対して一つの姿を示し、さらに若者のモノ作りへの関心につながることを期待して、優れた中小企業を国民の皆さんに紹介することから始めました。これが「元気なモノ作り中小企業300社」であります。これまでに選定された企業からは、「信用力や社内の士気の向上につながった」、「取引先の拡大にもつながった」、「金融についても銀行から訪ねてくれるようになった」、「社員募集も有利になった」と喜んでいただいております。
この取組をさらに広げるため、4回目となる本年は選定方法を改め、新たに地域で雇用を創出するなどの重要な役割を担う、キラリと光る小規模企業を150社選定することとし、150社のこれまでと同様のモノ作りの技術力に優れた中小企業と合わせて、合計300社の中小・小規模企業を選定しております。こうした小規模企業は、日本のイノベーションを支える中小企業と同様に優れた将来性のある企業であります。
中小・小規模企業をめぐる経済の状況は極めて厳しいものとなっておりますが、緊急保証制度を始めとした資金繰りの支援に加え、技術開発や人材の確保などの支援策を強力に実施することで、ピンチを乗り越え明るい未来を拓きたいと考えております。
今回「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれた皆さんの更なる躍進と、選定された企業を目標に多くの中小・小規模企業の皆さんが奮闘していただくことを心より期待しております。
今や日本の優れた中小企業は、韓国、中国、ベトナム、インドなどから進出を期待され、歓迎されております。このように、日本の中小企業が国際的な高い評価を得ていることは、喜ばしいことであります。日本の中小企業の持つ素晴らしい技術力が世界の各地で進出を待たれていることに応える道は、更に技術力を磨くことにあります。やる気のある優れた中小企業に寄せられる内外の期待は大きいものがあります。
中小企業の関係の皆さんの一層の奮起を願いつつ、第四回目の刊行の言葉とさせて頂きます。
平成21年6月
経済産業大臣 二階 俊博