編纂にあたって |
通商産業政策は、戦後日本の華々しい経済成長と裏腹の関係にあるものとして、日本のみならず世界的に注目されてきた。本通商産業政策史はその展開過程をできる限り客観的に考察し、叙情しようとしたものである。 時期区分としては、第一期戦後復興期(昭和20〜27年)、第二期自立基盤確立期(昭和27〜35年)、第三期高度経済成長期(昭和35〜46年)、第四期多様化時代(昭和46〜54年)の四期に分け、各期を政策項目別に整理し、さらに業種別の考察とも組み合わせたスケルトンを作成し、これに従って研究者、専門家77氏に、各論の執筆をお願いした。各論の編纂に当たっては、第一期編纂責任者に三和良一教授、副責任者に脇山俊氏、第二期編纂責任者に武田晴人教授、副責任者に宮田満氏、第三期編纂責任者に前田靖幸教授、第四期編纂責任者に伊牟田敏充教授、第三期、第四期の副責任者に鷲沢亨一氏をお願いした。各期の責任者及び副責任者は、執筆者と連絡をとり協議・協議協力をして、各期・各項の調整をし、監修に当たられた。
なお、本政策史編纂委員長には当時安藤良雄教授(当時 成城大学学長)が就任されていたが、不幸にして昭和60年5月にご逝去になられたので、後任として隅谷が委員長の責を引きつぎ、全体の監修を行うとともに、文章等の統一に当たった。また責任上、第1巻総論の執筆を受けもつこととした。
全体の巻別構成は、総論1巻、各論は一期3巻、二期3巻、三期4巻、四期の4巻の計14巻、他に資料編、統計編、年表編、索引編2巻で、全17巻とすることとした。
ここに「通商産業政策史」を世に送るに当たり、編纂委員会発足以来5年間、政策史編纂の討議、各巻の監修に当たられた編纂委員、またこの間資料の収集、整理に協力し、ヒアリングに心よく応じて頂いた通商産業省の元および現役職員等の関係者のご配慮とご苦労とに対し、深甚なる謝辞を表したい。なお、この「通商産業政策史」が、期待に応えるものとして、通商産業政策にかかわる人々やこれに関心をもつ人々はもちろん、広く日本経済に注目する内外の多くの人々に読まれることを衷心から願うとともに、忌憚のない批評を仰ぎたいと思う。
第1巻 総論 隅谷 三喜男 東京大学名誉教授
第16巻 統計・年表編
第17巻 資料・索引編 |
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